検査結果について一定の担保がなければ、正しい診断などができなくなります。そこで保健科学東日本では品質保証のために各方面における対策を進めています。まずは検査結果を出すにあたって最も重要な精度管理対策についてです。保健科学東日本では、標準作業書に検体の採取から報告までのすべての工程における手順を決めています。業務を画一化することで担当者によって結果にずれが生じる事態を予防しています。工程の中には人為的なミスが起こるリスクの高い部分もあります。このような個所は作業日誌の作成が義務付けられ、作業内容のほかにも担当者名も明記して責任の所在がはっきりするシステムを導入しています。
保健科学東日本では内部精度管理を実施することで、測定値の正確性の向上も日々目指しています。管理試料を用いた統計学的精度管理を実施することで、日別や時間別の変動なども検出できる体制を整えています。検査の中で検査過誤は特に気を付けるべき項目です。この予防のために患者の前回の測定と比較することで、問題のある数値はないかといったチェック体制も進めています。生化学検査の分野で精度管理システムを導入することによって、リアルタイムに近い状況で異常を感知することが可能となっています。
保健科学東日本の外部精度管理では、同一試料にて測定することを徹底しています。各施設のデータを集計することで、精度管理状況を客観的に判断できる体制を構築しています。ただし保健科学東日本の検査の中には、この外部精度管理調査に物理的などの理由で参加できない項目もあります。このようなジャンルについては、ほかの施設と半年に1回のペースでクロスチェックを行っています。そして正確性と信頼性の立証に努めています。
保健科学東日本ではこのほかにもISO15189やアメリカのCAPの認定なども受けています。第三者機関による監査を実施することで、客観的に精度管理システムが機能していることも立証されています。検査結果というのは、非常にプライバシーな問題があります。このことを保健科学東日本でも認識しており、個人情報の流出のないような対策も講じています。具体的にはプライバシーマークを取得することで、個人情報がネットワークなどを介して流出しないような対策を採っていることが認められています。このような徹底した品質保証を実施していることから、高い信頼性のある検査結果を提示できるわけです。