保健科学東日本には、免疫検査室が完備されていて感染症や自己抗体検査が行えるような設備が完備されています。
ウイルス肝炎やHIV、梅毒などの感染症、アレルギー、腫瘍マーカーなどの検査が行えます。
専用のシステムを使うことで前回の数値と比較し、関連した項目も合わせて管理できるような仕組みも整っているのです。
2018年10月1日の依頼分からは、Pro GRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)や免疫電気泳動(抗ヒト血清、特異抗血清)、ノロウイルス抗原などの検査内容が変更となっています。
ノロウイルス抗原の検査は、保健科学東日本が委託している企業の都合により変更となりました。
変更点は、項目名称と容器・保存方法、検査方法です。
それに伴い、項目コードも変更となっています。
保健科学東日本が行っているノロウイルス抗原検査は、日本国内においてウイルス性集団食中毒を発生させるケースが多いノロウイルスに感染しているかどうかを早急に調べるためのものです。
ノロウイルスの潜伏期間は1日~2日となっていて、乳幼児から大人まで幅広い層に感染するリスクがあります。
多くの場合軽症で済むのですが、重症化する可能性がないとは言い切れません。
免疫力が低下している高齢者や免疫力の低い乳幼児が感染したケースでは、死亡した事例もあります。
嘔吐や嘔気、下痢が主な症状となっています。
症状が治まれば問題ないと思われがちですが、症状が治まったとしても3日~1週間ほど便の中にノロウイルスが排出されることから二次感染への注意も必要となるのです。
アルコールなどの消毒薬に対して抵抗を持っていることから、二次感染を防いだり、重症化を防いだりするための迅速で正確な診断が必要だと言えます。
ノロウイルスに関する迅速で正確な診断を行うために保健科学東日本では、より正確性の高い検査が行えるBLEIA法を導入しています。
BLEIA法というのは、生物発光酵素免疫測定法の原理を活用した検査で、より感度が高い検査を実現できる方法です。
この検査では、ホタルルシフェラーゼの生物発光を有効活用し、迅速かつ正確性の高い結果を出せる方法として知られています。
保健科学東日本でも行っているノロウイルス抗原検査は、厚生労働省が定める大量調理衛生管理マニュアルの中で食品加工従事者などは必要に応じて10月から3月までの期間に受けることが示されています。
このことからも、感染を広げないためにより精度の高い検査をすることは重要だと言えるのです。