保健科学東日本で実施されている血液学検査と細胞診検査の特徴

人間の身体は60兆個もの細胞によって構成されているとも言われていますが、その細胞に栄養や酸素を送ったり、老廃物や二酸化炭素を肺などの臓器に運ぶ役割を担っているのが血液です。保健科学東日本では、いきいきと健康な毎日を過ごすために非常に重要な役割を果たしている血液と細胞それぞれの検査を行い、健康管理や疾病の早期発見に尽力しています。

血液学検査では、血球数算定と凝固系検査をメインに実施しています。血球数算定とは、血液中の赤血球や白血球の数、ヘモグロビンの濃度などを調べる検査です。これによって炎症を起こしていたり貧血になっていたりしないかだけではなく、病気の有無もわかります。保健科学東日本の血球数算定では主にSYSMEX社製のXE-2100を使用し、疾患が見られた場合は翌日に報告できる体制を整えています。凝固系検査は、血液の固まりやすさを調べるためのもので、出血性疾患の場合や手術、出産時には必須の検査です。保健科学東日本における凝固系検査では、凝固時間を数値化する一般項目に加え、凝固を抑制するアンチトロンビンⅢやFDP定量、Dダイマー定量の測定も行います。そのため、血管内に無数の血栓が散らばり凝固反応が高くなっているような緊急状態を迅速に確認できます。保健科学東日本では検体をバーコード化し検査の一連の流れや管理を自動で行っているため、高精度のデータ提供が可能になっています。

細胞診検査では、病気が疑われる部分から採取した細胞のなかに悪性のものがあるかどうかを調べます。細胞診には剥離細胞診や擦過細胞診などさまざまな種類があり、医療現場においてはその診断的価値が高く評価されています。悪性細胞は、増殖していくと悪性腫瘍につながりますので非常に危険です。保健科学東日本ではいち早く危険を察知すべく、ベテランの細胞検査士による検査が実施されています。細胞診検査には高精度のデジタル顕微鏡を使用しており、細胞診標本の細部に至るまで入念な確認が行われています。悪性の疑いが見られる場合は、細胞診専門医によって最終的な診断名が決定されます。また、疑陽性以上の検査結果に対しては報告書に写真も添付しているため、医療従事者はより正確に症状を把握できます。

血液や細胞の病気は、生命の危機を脅かし人生を大きく変えるおそれがあります。早期発見もさることながら、予防できるに越したことはありません。保健科学東日本では血液学検査と細胞診検査において、引き続きスピーディーかつ高品質な検査結果の提供ができるよう、日々全力で取り組んでいます。