生化学検査や血液学検査、一般検査など様々な分野の臨床検査を行っている保健科学東日本では、抗カルジオリピン抗体lgG(EIA)の検査も受託しています。
これまでも抗カルジオリピンIgG抗体の検査受託は行っていましたが、保険適用試薬を使用した抗カルジオリピン抗体lgG(EIA)の検査を新たに始めたことから、検査項目が変更されました。
抗カルジオリピン抗体lgGは、自己免疫性疾患の患者の血中で見られる頻度の高い自己抗体、抗リン脂質抗体を調べる際に有効です。
抗リン脂質抗体は、抗リン脂質抗体症候群に含まれる反復性の流産や子宮内胎児脂肪、脳梗塞や肺拘束など静脈血栓症などと密接に関係しています。
これは抗リン脂質抗体症候群になると、異常な免疫グロブリンが産生されるためです。
免疫グロブリンは免疫の中でも大きな役割を担っているものであり、中でも血液中に最も多いlgGは、細菌やウイルスなどに対する抗体を含んでいます。
抗カルジオリピン抗体には、抗カルジオリピン・β2GPⅠ複合体抗体と抗カルジオリピン抗体があります。
抗リン脂質抗体症候群が疑われる場合は、抗カルジオリピン抗体lgGを測定することで抗リン脂質抗体症候群の診断や治療、再発の余地などに使えます。
保健科学東日本では、抗カルジオリピン抗体lgGの検査にあたりEIA法を取り入れています。
EIA法とは酸素抗体法(Enzyme Immunoassay)のことで、抗体を検査する方法の一種です。
保健科学東日本では抗カルジオリピン抗体IgG(EIA)を行うにあたり、必要な検体量は血清0.2mLです。
保存方法は冷蔵で、検査に必要な日数は4~7日です。
抗カルジオリピン抗体IgGを検査する場合の基準値は12.3U/mL以下ですが、保健科学東日本では4.0未満~120.0U/mL以上を報告範囲としています。
保健科学東日本では、預かった検体を依頼された指示内容に従って、正確かつ迅速に検査すべく、最新の技術と機器、そして品質管理システムを整えています。
検体の採取から結果広告までのすべての工程をより正確に、より精密に行うべく、各工程に標準作業書を定め、業務の画一化を目指しています。
また、人為的なミスが起こりやすい作業については、作業日誌を作成、担当者名や作業内容を記録するなどして対策しています。
さらに、制度管理システム全体がしっかりと維持されているかを実証するための第三者機関による監査も行っています。
保健科学東日本では医療機関の要望に応えるべく、様々な工夫を行っているのです。