保健科学東日本が実施するCYP2D6検査

保健科学東日本では、CYP2D6検査を実施しています。
この検査では、臨床において重要視されている中枢神経系薬やβ遮断薬、抗不整脈薬など50種類を超える薬物の代謝酵素であるCYP2D6を調べることができます。
日本人で代謝欠陥型と認められる人の割合は1%にも満たないのですが、代謝が高い人は15~20%と比較的高い割合になっています。
さらに、代謝が極めて高い人も日本人の中には存在しています。
代謝に個人差が生まれるのは、CYP2D6遺伝子の多型に起因しているためです。
そのため、保健科学東日本が実施しているCYP2D6検査を受けることにより、代謝機能の予測を可能にしています。
保健科学東日本の検査を受けて代謝機能を予測できれば、治療する前に投薬の方針を決定したり、創薬の治験を行ったりする際にも役立ちます。
CYPには、20以上の種類があると言われています。
CYP2D6は中枢神経系や循環器系などの薬の代謝に関係している遺伝子です。
遺伝子タイプのバリエーションが多いことが判明しているため、薬の代謝に個人差があるという結果が導き出されました。
CYP2D6で代謝できる薬物も既に分かっているものが多数あります。
抗うつ薬は、アミトリプチリンやイミプラミンなど、向精神薬はオランザピンやハロペリドールなどです。
β遮断薬はアテノロールやメトプロロールなど、抗不整脈薬はエンカイニドやフレカイニドなどがCYP2D6で代謝できるとわかっています。
さらに、抗高血圧薬のインドラミンやグアノキサン、抗がん剤のタモキシフェンも代謝できる薬物として挙げられます。
保健科学東日本が行っているCYP2D6検査によって、薬物の代謝機能がどのようになっているか判明すれば、より適切な治療につなげやすくなるでしょう。
医療の発展により、様々な治療方法が生み出されています。
その中でどの薬が自分に合っているのか確認するために色々な薬を試してみるというケースもあるでしょう。
すぐに合う薬が見つかれば良いですが、なかなか相性の良い薬に出会えずに時間だけ過ぎてしまうといったパターンもないとは言い切れません。
こうした事態を回避するためにも保健科学東日本のCYP2D6検査で薬の代謝機能を予測し、治療をスタートする段階で投薬の方針を決められるのは大きなメリットです。
また、創薬の治験においても、代謝機能をあらかじめ確認しておけば効率的に研究を進められるようになると考えられるため、非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。