保健科学東日本が受託しているIgG4/LA検査とは

IgG4/LA検査は、保健科学東日本が2022年1月から新たに受託することになった検査です。
この検査は、IgG4関連疾患の診断を行うために必要となります。
保健科学東日本では以前、IgG4検査を実施していました。
こちらの検査は、2022年1月31日分をもって終了しました。
保健科学東日本が行う検査がIgG4/LA検査に移行したのは、非特異反応がより少ない試薬へと変更するためです。
IgG4関連疾患は、全身のあらゆる臓器にびまん性または局所性の腫大・腫瘤などが現れる病気です。
その他に、全身性の疾患であることや血清IgG4値が135mg/dl以上であること、IgG4陽性の形質細胞とリンパ球の明らかな浸潤を認めることも特徴として挙げられます。
ステロイドに対する反応が良好であることも、IgG4関連疾患ならではの特徴です。
この病気を患ってしまうと涙腺が腫れてしまったり、口渇感や顎下部の腫瘤を感じたりするようになります。
全身の倦怠感や咳、黄疸などがきっかけとなって受診するケースもあります。
IgG4関連疾患の可能性が高いとみなされた場合、IgG4/LA検査は非常に重要なバイオマーカーになるのです。
IgG4関連疾患を患っている人は、日本国内の推定人数は1万~2万人です。
その中でも自己免疫性膵炎は古くから研究が続けられており、患者数は年々右肩上がりになっています。
診断の性能が向上したことによって、患者数が増加したと考えられます。
ただし、IgG4の値は必ず治療の効果と連動するわけではありません。
保健科学東日本でも行っているIgG4/LA検査は治療の指標にはなるものの、それだけで判断するのは早計です。
定期的な画像所見や臨床的な所見なども含め、総合的な評価をすることが重要となります。
また、医師が診断する時に類縁疾患(シェーグレン症候群や多中心性キャッスルマン病など)、IgG4陽性細胞が組織の中に増加する疾患(脾臓硬化性血管腫様結節や自己免疫性萎縮性胃炎など)、高いIgG4血症が現れる疾患(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症や関節リウマチ)にも注意しなければいけません。
これらの病気でも血清IgG4値が135mg/dl以上を示すケースがあるためです。
保健科学東日本が新たに受託したIgG4/LA検査を受けることで、IgG4関連疾患の診断が可能となります。
適切な治療を行えば予後も比較的良好なので、少しでも不安な症状が出現したのであれば、早めに検査を受けるようにしましょう。
早期発見・早期治療は、あなた自身の体を守るためにも重要です。